インフルエンザの患者数が基準値を超え、
流行警報が出されている地域もあるようです。
では、もしインフルエンザにかかってしまった
ら、どのように対処すればよいのでしょうか。
「病院に行って薬をもらわないと治らない」と
考えている方が大半かもしれません。 しかし、
必ずしもそうとは限りません。むしろ、
医療機関にかかることで、症状が長引くことも
あるのです。
今回も母里啓子(もり ひろこ)著
『インフルエンザ・ワクチンは打たないで!』
(2007年、双葉社)という本から引用します。
発熱について
インフルエンザにかかれば高熱が
出やすいものです。熱が上がれば
誰だってつらいし、乳幼児なら親は
心配でたまりません。でも、ウイルス
病というものは、熱を下げては
いけません。これはウイルスによる
病気になったときの基本的な心得です。
なぜ熱を下げてはいけないかと
いうと、ウイルスは高熱になると活動
ができなくなるからです。つまり、
熱が上がるのは、体がウイルスを
やっつけている状態なのです。熱が
上がれば、ウイルスの増殖は止まるの
です。ウイルスがもっとも増えやすい
温度は37度くらい。39度くらいまで
上がると、ウイルスが増えることが
できなくなります。ですから、39度
くらいまでの体温だったら、下げない
ほうがいいのです。
インフルエンザで高熱が出た場合、
とにかく熱を下げようとしては
いけないのですが、とくに悪いのは
解熱剤で下げようとすることです。
解熱剤を使うと、一時的に熱は
下がっても、治りが遅くなる傾向が
あります。
薬について
そればかりではありません。乳幼児の
場合、解熱剤はとくに危険です。何度
も申し上げているように脳症を引き
起こす可能性があるからです。
ボルタレン(一般名:ジクロフェナクナトリウム)
やロキソニン(一般名:ロキソプロフェン
ナトリウム)に代表される非ステロイド性抗炎症
薬だけではありません。これまでは比較的に安全
とされていたカロナール(一般名:アセトアミノ
フェン)でもせん妄(意識の混乱)が起こること
が報告されています。

右は感冒剤のペレックス配合顆粒
(アセトアミノフェン150mg含有)
抗ウイルス薬のタミフルは使うべき
ではありません。
繰り返して言いますが、
インフルエンザに薬はありません。
なんとかしたいという気持ちはわかり
ますが、実際のところ、とにかく
じっと寝て治すしかないのです。
なんとか治そうとするあまり、薬害を
こうむってしまうのはばからしいこと
です。
薬品よりも、水分をとり、食べたい
ものを食べ、のどが痛ければのどアメ
をなめてインフルエンザを
やりすごしましょう。
看病する親の立場であればつらい
ところですが、自分の熱でウイルスと
戦うことが、インフルエンザに
かかった場合の最善の方法であると
いうことは、強調してしすぎることは
ないと思います。
病院を受診した際の一般的な流れ
実際に病院へ行くと、どのような流れになるのか
を簡単に整理してみましょう。 まず前提として、
医師の判断によっては、検査や抗インフルエンザ
薬の処方を行わない場合もあるということを
知っておいてください。
一般的な「簡易検査キット」を用いた場合の
流れは以下の通りです。
・検査で【陽性】の場合
抗インフルエンザ薬のタミフル(一般名は
オセルタミビル)やゾフルーザなどが処方される
ことが一般的です。
・検査で【陰性】の場合
「陰性=インフルエンザではない」とは
限りません。 発症から時間が経っていないと体内
のウイルス量が少なく、反応が出ないことがある
ためです。医師がインフルエンザを疑う場合は、
「翌日にもう一度検査に来てください」となる
こともあります。
私が身をもって痛感したこと
私自身、数年前にインフルエンザにかかって
しまいました。 当時はワクチンも接種済み
でしたし、発症後はすぐにタミフルも服用
しました。万全の体制をとったつもりでした。
しかし、結果はどうだったか。 頭が割れるような
激痛が丸3日間続き、仕事を休んでひたすら横に
なって耐えるしかありませんでした。 薬を飲んで
も、安静にしても、痛みは全く治まらない……。
「ワクチンもタミフルも、私には全く効いて
いない」 その時、私は身を持ってそう痛感した
のです。
病院に行かないという選択
そもそも、インフルエンザにかかると体は本当に
辛い状態になります。 その高熱と節々の痛みが
ある中で、病院まで移動し、受付を済ませるのは
並大抵のことではありません。まして流行期とも
なれば、待合室で長時間待たされることもザラに
あります。
苦労して薬をもらっても、劇的に早く治る
わけではありませんし、逆に副作用のリスクも
ゼロではありません。
ですから、「呼吸が苦しい」といった緊急性の
高い症状がない限り、「あえて病院に行かない」
というのも一つの賢明な選択だと私は思います。
インフルに「検査」は本当に必要か?
さらに、私が強く訴えたいのは、インフルエンザ
や新型コロナの感染確認を、必要以上に追い
求めないでほしいということです。
症状が出た際、わざわざ原因となるウイルスを
特定する必要があるでしょうか? ほとんどの
ケースで、これらは特別な治療薬がなくとも、
私たち自身の免疫力によって乗り越えられる
感染症です。
原因が何であれ、対処法は「安静」と
「自己免疫力の活用」以外にありません。過度に
ウイルスの種類を調べたり、それを登園・登校の
条件にしたりする社会の風潮は、今一度
見直されるべきではないでしょうか。
