帯状疱疹たいじょうほうしんワクチンは打った方がいい?

「帯状疱疹にまたなるのが怖いから、ワクチンを打ってもらった」

という患者さんがいらっしゃいました。

「帯状疱疹は痛みが長引くらしいから、予防のためにワクチンを打っておきたい」

という方もいらして、帯状疱疹に関心が高いことがうかがえます。

目次

帯状疱疹ワクチンの必要性について

令和7年度(2025年)から、帯状疱疹ワクチンが65歳以上の人に対して、

定期接種になりました。これにより、接種する場合は

自治体からの補助が出てこれまでより負担が少なくて済みます。

それでも、私は「帯状疱疹ワクチンは打つ必要はない」と考えています。

むしろ、打つことによって帯状疱疹を発症することもあり、

逆効果になる可能性も否定できません。

帯状疱疹ウイルスは変わり種

帯状疱疹は、水痘すいとう・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされます。

このウイルスはちょっと変わっています。

インフルエンザウイルスのように体の外から侵入して

症状を引き起こすのとは違います。

じつは、水痘・帯状疱疹ウイルスはすでに体内の神経に潜んでいるのです。

ほとんどの人が子どもの頃に水ぼうそう(水痘) にかかることで、

このウイルスを体内に保有しています。

そして大人になって、ストレスや疲れなどで免疫めんえき力(病原体から体を守る抵抗力)

が落ちると、潜伏していたウイルスが再び活性化して、帯状疱疹を発症するのです。

帯状疱疹の予防と免疫力

つまり、帯状疱疹にならないようにするには、ワクチンを打って

敵(水痘・帯状疱疹ウイルス)を体に記憶させることではありません。

なにせ、もう敵は体の中に潜んでいるのですから。

むしろ、ワクチンを打って、身体に負担がかかり、

帯状疱疹になってしまうことがあります。

実際にそういう患者さんがいらっしゃいました。

最近、若い世代でも帯状疱疹を発症する人が増えたのは、

新型コロナウイルスワクチンが影響しているという意見もあります。

帯状疱疹が発症しないようにするには、

免疫力を高めることがもっとも重要だと考えられます。

免疫の記憶

50歳を超えると、帯状疱疹を発症する人が多くなるというデータがあります。

「自分の身体は、もう帯状疱疹ウイルスを忘れてしまったのではないか」

と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、昨日の食事内容を思い出せなくなったり、

知人の名前がパッと出てこない頭の曖昧な記憶と違って、

免疫の記憶は、そんなやわなものではない気がします。

なぜ、そんなことが言えるのか。

それは、帯状疱疹の再発のデータを見ると明らかになります。

帯状疱疹の再発について

一度、帯状疱疹を発症し、まれですが、また帯状疱疹を発症する人がいます。

どのくらいの人が再発すると思いますか。

ちょっと予想してみてください。(答えは4行後)

最近では、2回、3回と帯状疱疹を発症する方もいらっしゃいますが、

少し前までは、一度発症したら、2回目は発症しにくいと言われていました。

宮崎スタディという、帯状疱疹の患者を大規模に調べた研究があります。

2015年までに再発した人は、帯状疱疹を発症した人全体の約6%でした。

他の地域で調べたデータでは、3%台とさらに低いものもあります。

かなり少ないと思いませんか? 

20人に1人しか再発症しない計算になります。

その再発までの期間は、2カ月から最長73年!と、

非常に幅があることもわかっています。

再発から見えてくるもの

一度、帯状疱疹にかかるとほとんどの人が再発しないことから、

身体は帯状疱疹ウイルスをしっかりと認識できている。

そして、発症間隔にかなりバラつきがあることから、

免疫が弱って、ウイルスを上手く制御できなくなり

再発したと考えるのが妥当ではないでしょうか。

ですが、偉い先生がこの大規模調査を分析すると、

高齢者は免疫力が落ちてくるから、ワクチンを打ちましょうとなる(???)。

医療関係者でない方が、ここは冷静な判断が出来るかもしれません。

弱った身体にワクチンを打つと、さらに免疫力は落ちていきます。

ワクチン効果の有無はさておき、身体にとってワクチンは単に異物ですからね。

再発患者の基礎疾患

宮崎スタディには、もう一つ重要なデータがあります。

それは、帯状疱疹を再発した人に、糖尿病や高血圧、高脂血症といった

基礎疾患にもつ人が多かったという点です。

一方で、がん患者や白血病の人が特別多かったわけではないとされています。

高脂血症に関しては、診断基準に疑問があるためここでは別としますが、

糖尿病や高血圧は、糖質の過剰摂取が引き起こす可能性が高いと考えられます。

帯状疱疹予防に本当に必要なこと

帯状疱疹の予防は、決して帯状疱疹ワクチンを打つことではありません。

ワクチン接種後に、熱が出たり、倦怠感が出るということは、

体に負担がかかっている証拠です。

これは、むしろ免疫をわざわざ落としていると言えるでしょう。

免疫力を高めるためには、動物性タンパク質(肉や卵など)を

しっかりと食べて、糖質を控えることがもっとも重要です。

ワクチンを打つ代わりに、ご自身の体にとって大事な栄養を摂ることに投資しましょう。

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