「喘息が6年ぶりに出て苦しい。吸入薬を
ください。」と薬局にかけこんでいらした
患者さんがいました。
その患者さんとのお付き合いは、もう9年ほどに
なります。彼は自他共に認める「病気の名人」。
以前、彼が健康診断の結果を持っていた際、私は
失礼ながら「さぞかし飛び抜けた数値が並んで
いるのでは……」とドキドキしながら中身を
拝見しました。
ところが、結果は予想外。なんと、健康に気を
つけているはずの私の方が、数値が悪かったの
です。
52歳にして病気名人
その患者さんは現在52歳の男性です。仮に
Aさんとします。これまでの9年間、彼が経験
してきたトラブルを挙げると、驚くべき
ラインナップになります。
・ 9年間で骨折3回、ヒビ1回。膝、腰、肩の
痛みは日常茶飯事
・ 片頭痛、ばね指、良性の腫瘍。冷凍食品を扱う
仕事で、まさかの「両手指の凍傷」
・ 気管支喘息、帯状疱疹後神経痛、
期外収縮(不整脈)
・ 50歳の時に「心不全」で入院
これだけ並べると、さぞかし年老いた、お疲れの
様子の方を想像するかもしれません。しかし、
実際のAさんは実年齢よりずっと若く見える、
お腹も出ていない細身の男性です。飲食店で
働き、時には知人の外仕事(肉体労働)に駆り
出されるほど、アクティブに活動されています。
ここで、健康診断の結果を一般市民代表の私と
比較をしたいと思います。ちなみに私のBMI
(ボディ・マス・インデックスの略称。18.5~25
未満の人は普通体重)は、21.3です。Aさんは
やせ型なので、やや低い値であると予想されます
が、低体重ではありません。
違いは、私は糖質制限をしていて、運動している
ことです。今まで骨折はしたことありません。
また体の痛みはなく、心臓の疾患はありません。
| 検査項目 | 基準値 | Aさん | まつもと |
|---|---|---|---|
| 総たんぱく | 6.5~8.0 | 6.8 | 6.7 |
| アルブミン | 3.7~5.3 | 4.4 | 4.5 |
| 中性脂肪(TG) | 40~150 | 138 | 83 |
| LDL-C | 65~139 | 81 | 301 |
| HDL-C | 40~90 | 51 | 92 |
| 尿素窒素(BUN) | 7.6~20.0 | 13.2 | 20.5 |
| クレアチニン | 0.5~1.0 | 0.71 | 1.06 |
| 血糖 | 87 | 91 | |
| 赤血球 | 386~492 | 483 | 443 |
| ヘモグロビン (Hb/血色素量) | 14.0~18.0 | 15.3 | 14.8 |
| ヘマトクリット | 40.0~50.0 | 46.1 | 42.9 |
*基準値を外れているものは、赤文字にしています。
Aさんの検査結果はすべて〇
なんと、検査結果ではAさんに悪いところは
見られませんでした。他にもここに載せていない
検査項目がありましたが、すべてが基準値内に
収まっています。
私は「脂質異常症」
一方、私は基準値から外れていて、病院では
「脂質異常症」の診断がつきました。当然です。
まだまだ悪玉コレステロールとして名高い
LDL-Cが300超えしているのですから。
しかし、糖質制限している私は、薬を飲む必要性
は感じていません。糖質を控えるにようになり、
LDL-Cは毎回基準値を大幅に上回っています
が、心臓に不安を感じることはありません。
逆に、糖質を制限する以前は、脈が飛ぶことを
指摘されたことがありました。
健診で健康かどうかはわからない
この経験から私が痛感したのは、「特定健診の
結果だけでは、本当の意味で健康かどうかは判断
できない」ということです。
しかも以前よりも血圧の基準値は下がってきて
います。この背景には、病気をみつけて、お薬が
処方しやすい(売れやすい)ような資本主義
ならではの思惑が働いているのかもしれません。
いってみれば、「病気診断」ですね。健診を受診
すると健康な人が病人になってしまいます。もし
ある異常値が出たら、すぐに薬を飲むのでは
なく、一度立ち止まって考えてみてください。
食生活で気をつけること
その際、普段の食生活で気を付けることとして、
「バランスの良い食事を心がけましょう」や
「運動してカロリーを減らしなさい」という
決まり文句に注意してください。
「和食」や「野菜」では健康にはなりません。
大事なのはタンパク質です。ちなみに英語では
プロテインで、これはギリシャ語の「もっとも
大切なもの」が語源になっています。
タンパク質を今までより多く摂取して、その分、
糖質は控えめにしましょう。
