起立性調節障害(OD)は、漢字が多く、なにやら
難しい名前がついています。私の年代でいえば、
朝の全校集会で突然、倒れてしまう子がいました
よね。そう、あの症状に病名をつけるとこうなり
ます。
小学生から高校生くらいまでに見られて、頭痛、
朝起きられない、立ちくらみ、体のだるさ、
お腹の痛み、吐き気などの症状が出ます。
他に、急に気を失うといった症状が出る方も
いました。午前中に調子が出ず、午後から元気
になることも多いようです。
広島県で心療内科の医師をされている藤川徳美先生
の著書『親子ではじめる! 天才ごはん 栄養療法
でみるみる脳の働きがよくなる!』には、数多くの
改善例が記載されています。
今回は、起立性調節障害(OD)の女子、
小学5年生の症例を紹介します。
朝起きられず、不登校
数年にわたり、朝起きが悪く不登校になり、
藤川医師のクリニックを受診しました。
その当時、133cm、32kg、血圧は上が
85で、下が48と細身で、血圧も低めです。
BUN(尿素窒素)11.8、フェリチン76
・BUN(ビーユーエヌと読む):尿素窒素の事。タンパク質の充足度を表す。目標値は20以上。一般的な健康診断では、腎機能を診断するために測る。高齢者は腎機能悪化で数値が上がることが多いために、タンパク質の指標にはならない。大人の検査結果でこの項目を目にするが、私の周りで小児で測定している人はまず見かけない。
・フェリチン:鉄分を貯蔵しているタンパク質の量。ヘモグロビンは正常でも、この値が低下していれば鉄不足が考えられる。
初潮はまだで、食が細いようです。
プロテイン、鉄、ビタミンCを始める
クリニックを受診する少し前からプロテイン5g
×2回、鉄27mg×2錠、C1000×2錠を
始めていました。
これらは、インターネットを通じて個人で購入
できるために、母親が藤川先生の本を読み、
飲み始めています。
食欲が出る薬の処方
ESポリタミン2g×2包、向精神薬ドグマチール
50mg×2錠、プロマックD×2錠を
処方されます。
ドグマチール、プロマックD共に、先発医薬品の名前です。ジェネリック(後発医薬品)はそれぞれ、スルピリドとポラプレジンクです。現在は希望しない限り、後発品で処方されることが多いです。効果は同じなので、後発品で十分です。
1カ月後
プロテインを5~7g×2回飲むようになり、
最初からすると少し増えています。
食欲が出てきて、今まで学校に午後からしか
登校できなかったのが、午前中から行ける
ようになりました。
3カ月後
かなり元気になって、朝から登校できています。
採血結果は、BUN(尿素窒素)18.9、
フェリチン81.5となりました。3カ月前と
比べて、共に数値が上がってきています。
食欲がしっかり出てきて卵、肉を食べています。
ドグマチール50mg×1錠、プロマックD×1錠
となり、これまで1日2回飲んでいたのを、
1日1回に薬が減っています。
4カ月後
順調に登校できています。
食欲が旺盛で、これまで食べられなかった給食
が、食べられるようになりました。
家族全員でプロテインを飲んでいます。
食欲が出る処方薬のドグマチール、プロマックは
中止になりました。
6カ月後
かなり元気になりました。
月曜の朝だけは母親の車で登校しますが、ほかの日
は自分で行けるようになりました。
定期的な通院は終了になりました。
鉄不足が軽度であったので、早く改善できた
症例です。
食欲セットとは
食が細い子どもには、ESポリタミン+向精神薬
ドグマチール(スルピリド)+プロマックD
(ポラプレジンク)の「食欲セット」が効果的
です。
女子中高生にドグマチール(スルピリド)
100mgを投与すると月経不順、無月経と
なりやすいため、ドグマチール(スルピリド)
50mg×1錠、プロマックD
(ポラプレジンク)×1錠としています。
女子小学生なら、短期間に限定してドグマチール
(スルピリド)100mgで開始し、食欲が
回復すればできるだけ早く50mgに減量
します。
基本的には
ADHDなどの小学生には処方しません。
